さらばスイングギターの巨匠 － バッキー・ピザレリ

 

伝説の米ギタリスト、バッキー・ピザレリさんが死去　９４歳

２日の米メディアによると、ジャズギタリストとして有名なバッキー・ピザレリさんが１日、東部ニュージャージー州の自宅で死去した。９４歳。死因は不明だが新型コロナウイルスに感染していた。

１９４０年代以降、ベニー・グッドマンやフランク・シナトラと共演、約８０年間にわたり活躍し、伝説のギタリストと評される。息子のジョン・ピザレリさんもジャズギタリストとして知られる。（共同）

世の中、とんでもないことになってしまっています。明るく楽しくとかいうのも白々しいので事実をちゃんと見つめて、政府の方針に素直に従っていこうと改めて思っているところです。

コロナウイルスの感染拡大は我が国でも志村けんという偉大なコメディアンを奪っていっただけではく、つい先ごろは、ほぼ同世代といっていい岡江久美子という若いころのアイドルだった美女も奪ってしまいました。

なんということでしょう。世界は今疫病の時代の真っただ中にあるのです。

昨年、バッキー・ピザレリがコロナで亡くなりました。９４歳と高齢ではありますが、感染症で亡くなるとは残念なことです。

ピザレリは一言でいうと、ジャズギタリストを超えて、あらゆるジャンルで職人ギタリストとて活躍した人。なんでもござれのホンモノのプロフェッショナルです。そして、その腕前で超一流になりました。ちょうど、レス・ポール、ジョージ・バン・エプス、ジョニー・スミスといった人たちの一員ですね。

"Thank You Les" - a tribute to Les Paul feat. Bucky Pizzarelli and Lou Pallo

息子さんのジョン・ピザレリも大変有名なギタリストであります。

親子共演。いつも笑いを誘うギミックが非常に楽しい演奏です。

John and Bucky Pizzarrelli - 2002 MAC Awards

有名になったのは、１９５２年にＮＢＣのスタッフミュージシャンになったときで、１９６４年にはジョニー・カーソン・ショーのメンバーに就任。

その前４０年代はヴォーン・モンロー（ゴースト・ライダー・イン・ザ・スカイのオリジナル版で有名）のオーケストラのギタリストでした。

５６年、５７年にはジョニー・バックと名乗って、スリーサンズとポップをこなし、ジャズマンとして、ちょくちょくベニー・グッドマンと一緒にツアーしたり、７０年代以降は、一流ギタリストとして、ロナルド・レーガン、ビル・クリントンなどを客にワシントンＤＣでコンサートをしたりしています。

８５年には仲良しで近所のギター仲間、レス・ポール、タル・ファーロウとしばしばツアーに出たり。なんともグレートな演奏活動を続け、２０１６年まで８０年もの間現役という生きた伝説のギタリストになったのです。

バッキー・ピザレリで有名なのは７弦ギター。最初のころは、ギブソンのアーチトップでしたが、名個人ビルダーのベネディットが作った７弦ギターを愛用していましたが、音楽は実に正統派のスイングギター。でも、ときどき、面白い笑いを誘うことやギミック満載でびっくりさせたりと、ギター芸人的なおちゃめなところもあって、多くのファンに愛されました。

それでは、お別れは若手の名手フランク・ヴィニョーラとのデュオで、「ムーングロウ」。

Frank Vignola and Bucky Pizzarelli perform Moonglow

ラストノートが凄くお茶目！ピザレリ翁のラストノートはこれが一番いい。暖かいユーモラスな人柄がよく出ています。

Ｒ．Ｉ．Ｐ　バッキー・ピザレリ（１９２６－２０２０）